(IUCN スイス)[2003/12/02]

12月11日、日本の国会議員の谷博之議員が日本での外来侵入種問題に関する日本政府が進めている活動について話し合いを行うため、IUCN本部を訪問した。谷氏は政治活動の一環として、日本における外来種問題にかかわる法整備に取り組んでいる。

ますます国際貿易により生物地理区界を越えた動物相、植物相の混合が拡大している。新しい環境においてどの種が侵入種となるかどうかを予測することは難しいが、IUCNでは、"外来侵入種により引き起こされる生物多様性喪失防止のためのガイドライン"を作成し、各国が見識に基づいた判断を下すことができるよう支援している。IUCN主任研究員であるジェフ・マックニーリー氏は、外来侵入種に関する最近の業績をまとめた。また、IUCN環境法センターでは、各国における侵入種に関する法律整備へのガイドラインを作成しており、IUCNは詳細な技術書作成を目的とした国際侵入種プログラム活動において協力を続けている。日本がこれらの資料を外来侵入種に関する法案作成において活用していることは好ましいことである。法制化が必要であることは、外来侵入種による侵略によって生息地の改変、自然界のエコシスムの破壊が引き起こされていることからも明らかである。これらの動きは在来種においては悲劇的結末となっている場合がある。日本は生物種を世界各地に移動させる国際貿易において重要な役割を果たしていることから、法整備や機構設置に加え、外来侵入種への理解と認識をさらに高めることにより、生物多様性保護を脅かす勢力を弱めることに寄与できるであろう。

谷議員は、さらなる作業が必要であることを認識しているが、その一方、侵入外来種に関する法律成立を困難にする多くの主義主張があることも付け加えた。その例として、違法にブラックバスやブルーギルなど日本在来の鯉を駆逐した種をスポーツ・フィッシングのために放流する人々がいる。また、ペット交易も問題であり、日本人はペットを愛玩しているものの、カブトムシ類などぺットの一部が逃げ出し、周囲に深刻な被害を与えている。

IUCN内の侵入種専門家グループ、170人を超える世界中にいる専門家から構成される集団は、現在世界侵入種データベースを構築している(http://issg.appfa.auckland.ac.nz/database/welcome/ 参照)。その目的は、基本として世界で確認されている侵入種の広がりを食い止めために、世界で確認されている侵入種に関する情報をインターネット経由で提供することである。同様にいったん侵入種が入り込んだ後、その除去や管理に関する情報をあわせて引き出すことも目指している。侵入種に関するIUCNの活動については、ウェブサイトwww.issg.orgをご覧ください。