シロサイ

世界遺産委員会で、アフリカの遺産が焦点に上がった

「私達の自然遺産の破壊は、私達の魂を貧しいものにする。」「世界遺産は、平和と安定を求める私達の道具立てとなりうる。」南アフリカ、ダーバンで開催されている世界遺産委員会のオープニングセレモニーで、南アフリカ芸術文化大臣のZ.パロ.ヨルダン氏は、このように発言した。このメッセージは委員会でも取り上げられ、アフリカにおける世界遺産保全の強化のためのプログラムの立案が支持された。

「地球の宝石」であり、未来の世代に引き継ぐものであり、国際社会が広く責任を持つ世界遺産は、手に入る最大限の保護と保全手法を受けるべき存在である。しかし、世界遺産委員会は、この日、アフリカの自然遺産の4分の1が「危機的状態にある世界遺産リスト(訳注:危機遺産リスト)」に該当する事が知らされた。

IUCNは、毎年、自然遺産の保全状況について報告を行っている。今年は、例えば、シロサイ北部個体群の残されていた個体群が、この数年でガランバ国立公園(コンゴ民主共和国に存在する5つの危機遺産のうちの1つ)から取り除かれたと思われるという情報などを提供した。最新のIUCNの調査によると、セネガルのジュッジ国立鳥類保護地区では、世界的にも重要な湿地に流れる水の不適切な管理とモニタリングが遺産を危機においやっていることが発見された。

アフリカ世界遺産保全の実行に関するアフリカ人の意見書(African Position Paper)を表明したアフリカワーキンググループを代表して、ドーソン・ムンジェリ(Dawson Mujeri)氏は「私達は、成功と失敗の分岐点にいる。失敗の道を選択してはいけない」と発言した。この意見書は、アフリカ世界遺産基金の創設などを含めた、今後10年間の「アフリカ世界遺産行動計画(Action Plan of African World Heritage)」の骨子として、喝采の中、全会一致で遺産委員会に承認された。

会議では、遺産保全の対話への広範な社会参加の必要性とともに、持続可能な発展と貧困撲滅を促進する手法の一つとしての遺産の果たす重要な役割が強調された。アフリカ諸国は、この地域主導の活動はアフリカ遺産の歴史的な一歩であるが、しかし、また、国際社会からの支援を求めていることも強調した。「私達にツールをください。私達は、(地球の遺産を守るという)使命を果たします」とムンジェリ氏は語る。

デイビット・シェパードIUCN代表は、遺産委員会に対して、アフリカの自然遺産は3つの緊急の課題があること強調した。すなわち、1)保全が地域の発展につながるよう世界遺産地域と周辺地域社会とのよりよい関係を構築する事、2)保護地域官庁の能力強化、3)全てのレベル(特に意思決定者)からの(遺産保全に対する)一層の参加と支援、である。

今週、世界遺産委員会は、既存の世界遺産の保全状況並びに新規物件の記載に関してIUCNの詳細な勧告文をもとに議論を進めるだろう。

問合せ先はについてはこちら Georgina Peard, IUCN World Heritage Officer,
South African mobile: +27 72 771 5136, email:

(IUCN-J)[2005/7/15]