サンゴ礁に生息している魚類は世界でも非常に関心が高い。しかし、それら生物の保全状況はほとんど知られていない。漁業やその他要因が複合的に作用し引き起こされる、サンゴの白化によるこれら魚類への影響が懸念されている。現時点で少数のサンゴ礁魚類がIUCNレッドリストに記載されているが、実際には絶滅のおそれのある生物数は、かなり多いと認識されている。

このような懸念の中、ある技術ワークショップが、英国・ノーウィッチで4月下旬に行われた。そこでは、IUCN種の保存委員会(SSC)が開発した、絶滅可能性マトリクスを用いて、世界のサンゴ礁魚類の状況が検討された。160科のサンゴ礁魚類、約4200種が検査対象となった。ワークショップの予備段階調査結果はめざましいものであり、サンゴ礁魚類の25%、1000種以上もの魚類が、絶滅につながる影響をかなり受けていることを示している。

SSCの絶滅可能性マトリクスは、海洋生物の相当数が絶滅に至る可能性を検討する方策として開発され、絶滅へと向かう可能性を示唆する、内的要因(生活史、生態)と外的要因(生息地の喪失、過剰捕獲)を明確にする役割を持つ。この方法では、さまざまな要因が評点化され、相対的被影響度についてすべてを網羅したアセスメントが行われる。マトリックスは、正式な危惧状況の評価を行うべき生物種の優先順位をつける基礎情報を提供するほか、危険な状況にあり、予防的な管理が必要となっている何千もの生物種を区別化するための基本ツールとしても広く使用することが可能である。

このワークショップは、世界サンゴ礁魚類アセスメント(GARF)という大プロジェクトのさきがけとして重要な活動となった。GARFが目指しているものは、IUCNのレッドリスト分類・基準を用いて、世界のサンゴ礁魚類の置かれている状況を検討することである。また、GARFでは、研究機関と世界の科学者が共同して参加する多年度計画を予定されており、そこでの成果は海洋保護活動における重要な要素となることが見込まれる。

(ワークショップは、SSCサンゴ礁魚類専門家グループ(CRFSG)により主催された。ペリー海洋科学研究所と連携し、イースト・アングリア大学(英国)、イザベル・コーテ博士が幹事として受け入れを担当し、CRFSG議長であるグアム大学海洋研究室、テリー・ドナルドソン博士により議事が進行された。)

写真提供 クダゴンベ(Oxycirrhites typus) J.E.ランダル
ケショウモンガラ(クィーントリッガーフィッシュとも呼ばれる)(Balistes vctula)  J.E.ランダル

さらに詳しい情報については、こちらまでご連絡ください。
Anna Knee or Andrew McMullin, IUCN/SSC Communications Officers, or ; Tel: +41 22 999 0153

(IUCN/SSC)[2005/6/23]