自然保護はどのように現代社会に関っていけばよいか、次の4年間、どういう関係を発展させればよいのだろうか?

アキム・シュタイナーIUCN事務総長は、このような質問をDr. Claude Martin(WWF事務総長)と Pavan Sukhdev(ドイツ銀行エマージングマーケット主任)に問いかけた。マーティン氏は、「自然保護の課題は、環境と人類の福祉の間にはっきりとしたつながりが存在する発展途上国の人々にとっては、いまなお一番の問題である。だが、先進国は環境の劣化が、例えば安全保障といった問題の根底にあることについて分析的な感覚を失ってしまった。自然保護に関る人々にとっての課題・挑戦は、規制のみに頼るアプローチから、市場を抱き込み、利用する手法へと進化を続ける事である。」と強調した

シュクデフ氏は、環境コストや企業側の視点から、自然保護団体は自然保護活動の中に民間部門を参加させる必要があると強調した。「保護地域や絶滅危惧種についての関心から、生態系サービスや気候変動、水や食料の安全保障といったより包括的な議題に自然保護が進化していることを企業社会に理解させ、対応させる事が重要である。企業は消費者にも答えなければならない存在なので、環境に配慮をする市場(Green market)をめざし、消費者を対象とした活動も決定的に重要である」

自然保護と市場の連携を模索する理事も、生物多様性に抱く人々の価値を、現金化し市場化するところまで拡張すべきと強調した。自然保護に関る人々は、自然保護から市場に向けた事例を進展させ、健全な生態系が生活と貧困の撲滅に重要な高い質の生態系サービスを提供する事を照明する必要がある。このような事例を築くためには、時間の積み重ねが重要だが、矛盾なく進むものではない。経済活動の担い手は、次の4半期や1、2年程度しか考えない場合があり、環境に関する彼らの決定がもたらす結果はしばしば遅れてあらわれる。

この議論では、自然保護に関る人々が、人々の日々の関心事にもっとかかわる事、自然保護の課題と彼らの関心とを関係付ける事が本当に必要であると結論づけた。自然保護の妥当性を証明する事、いっそう複雑になりつつある自然保護の課題を人々の生活態度とも関係付けながら、明確に伝えるという重責を私達は担っているのである。

(IUCN/本部)[2005/9/26]