インド洋大津波による災害から10ヶ月、長期に渡る環境政策への支援と海洋・沿岸地域に復興活動が、スリランカ大統領に認められた。

2005年10月21日 コロンボ(スリランカ)発IUCNは、このたび、栄誉ある2004年度スリランカ環境貢献賞 (NGO部門)を受賞した。授賞式は大統領府で開かれ、チャンド リカ大統領から、アジア地域事務所アバン・カブラジ所長に賞が授与さ れた。IUCN会員であるスリランカ野生動物・自然保護協会とスリ ランカ環境財団も、スリランカ中央環境当局と一緒に受賞した。

「これは非常に名誉な事であり、私はこれを、津波災害に対する国際社会の努力の中で、たゆまぬ献身的働きをしてくれたスリランカの同僚にささげたい」とアバン女史は語った。環境と人類の福祉のつながりが明確になるということは、環境への脅威が人への脅威と同じものであるということだ。「IUCNは、迅速な環境被害の分析を行い、生態系や生活様式を対象に蓄積された経験を元に、災害復興プロセスにおいて地域共同体を支援した事が評価されたのだろう」とアバン氏は付け加えた。

IUCNのスリランカ事務所は1988年に設立された。その後、政府やNGO会員、持続可能な生活に配慮したアプローチを通じた自然保護活動を現地のパートナー共同体と一緒に進めてきた。スリランカ事務所では、現在70名近いスタッフが「生態系と生活様式グループ」という枠組みのもと、生物多様性や種、海洋沿岸、環境経済プログラムなどを実施している。

スリランカとの強い絆

IUCNがスリランカで活動を始めたのは1986年まで遡る。スリランカのシンハラヤ、ナックルスという貴重な熱帯雨林の保護管理計画の立案を始めた森林局に協力するというもので、これがこの国最初の保護地域管理計画の事例となった。

その後、1980年代後半には、生物多様性保全行動計画 (BCAP)の立案を支援し、ほかにもスリランカ事務所は、生物多 様性条約の担当官庁である環境自然資源省の支援も続けた。

IUCNは、スイスに本部を置く自然保護活動を牽引する組織で、会員団体1000団体、国連のオブザーバーステータスを持つ組織である。IUCNスリランカは12の会員団体(政府系団体4団体・NGO8団体)が加盟している*1。

ホットスポットの1つ、スリランカ

スリランカは、世界のホットスポットのひとつと考えられている。IUCNは専門委員会(特に、教育コミュニケーション委員会、環境法委員会、世界保護地域委員会)を代表する科学者を通じて、スリランカにおける活動を強化している。

保護地域に関していうと、IUCNは、ブンダラ国立公園、マドゥガンバ湿地、アナイビルンダワ・サンクチュアリの3つのラムサール地域の宣言とシンハラジャ世界遺産地域の設立に貢献した。ルナマー・カラメティヤ湿地のラムサール地域登録が進行中で、この国最初の「海のラムサール登録湿地」となるバーサンゴ礁サンクチュアリの設立を目指し情報収集が行われている。

種の保存委員会所属のスリランカの専門家と一緒に、スリランカの絶滅のおそれのある植物相・動物相のレッドリスト(1999)の編集に協力を行うほか、スリランカ2005年度版レッドリストは近々発表の運びとなっている。おそらく、これは、この国の種の保存活動にとって画期的な出来事となるだろう。

*1 スリランカのIUCN会員一覧

The Ministry of Environment and Natural Resources(国家会員)

Department of Wildlife Conservation (DWLC), the Forest Department and the Central Environmental Authority (CEA)(政府機関会員)

Wild-Life and Nature Protection Society (WNPS), the Environmental Foundation Ltd. (EFL), Seva Lanka Foundation, the Sri Lanka Environmental Journalists Forum (SLEJF), Worldview Sri Lanka (WSL), the Organisation for Resource Development and Environment (ORDE), The Wildlife Federation and the International Water Management Institute (IWMI).(NGO8団体)

(IUCN/本部)[2005/10/24]