世界中で加速する湿地の減少と劣化に取り組むため、ラムサール条約第9回締約国会議が今日から、ウガンダのカンパラで始まった。ミレニアム生態系アセスメント(MEA)の湿地に関する総合報告が、今週発表される予定になっている。

「条約の精神や指針と湿地の現状の間のギャップはますます大きくなっています。MEAのような評価に対して、政府や湿地保全に緊密に関るNGOは明確な対応を求められているのです。」とIUCNの事務総長アキム・シュタイナー氏は開会式の挨拶で語った。

シュタイナー氏は、締約国会議の開会セレモニーで、ラムサール条約のパートナー4団体(バードライフ・インターナショナル、国際湿地保全連合、WWF、IUCN)を代表して挨拶を行った。

湿地の状況についてMEAの報告をみると、湿地は甚大な打撃を受けた生態系で、これまでに、急速な減少が見られている。淡水生態系がもたらす貴重な財(訳者注:飲料水や魚類などの食料資源など)やサービス(訳注:水の浄化機能など)の損失は、湿地に依存して生きる地域共同体の生活と収入が失われることにつながる。

このような厳しい背景に立ち向かうために、ラムサール条約批准国は、世界規模で湿地を管理し、湿地の持つ豊かな生物多様性を保全し、何百万人の人々の生活を改善するために、条約の一層の改良を図る事となった。今回会議のテーマは「ウェットランド(湿地)-生命を支え、生活を維持する」である。

人類の発展と貧困の解消とラムサール条約は関係がないという、意思決定プロセスにありがちな誤解を指摘した。

彼は、自然保護と開発の間の相互関係を強調するためウガンダの事例をあげた。過去15年間にわたり、ウガンダは国家湿地プログラムを展開し、政府の基金から得られた利益の一部は、貧困削減に向けられている。この基金は、地域共同体の人々が、湿地からもたらされる様々な財やサービスを保全することをめざした「地域共同体を基礎とした管理計画(community-based management)」の実行のために使われている。

シュタイナー氏は、この例に習い、湿地保全を他の政策や部門に組み込む事を参加国に求めた。そして、「この条約の主要原則を、貧困削減戦略文書に組み込むこと、それは水資源部門と財政官庁、開発機関を巻き込んだ貧困撲滅政策への手助けとなることでしょう」と提案を行った。

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今回のラムサール条約締約国会議において、日本からは北海道のサロベツ湿原から沖縄県の名蔵アンパルまで20カ所が新たに登録湿地となり、日本国内の登録湿地は合計33カ所となった。

(IUCN/本部)[2005/10/24]