淡水ガメは食料、薬として徹底的に搾取されており、特に東南アジアや中国では、カメ類の捕獲数は種の存続が不可能なレベルまで達している。また収穫されるカメ類の中に保護種や貿易規制のある種が含まれている。持続可能でない取り引きのため、多くの種が現在絶滅の危機にさらされている。このようなカメ類の急速な減少、周辺国への影響の可能性に対し、SSC淡水ガメ・陸上カメ類専門家グループの支援によって、2001年、カメ類保存同盟(TSA: Turtle Survival Alliance)が結成された。このIUCN/SSCのタスクフォースは、保障コロニーAssurance Coloniesと呼ばれる保護繁殖プログラムを連動させたネットワークの構築を目指している。そこでは、動物園、水族館、大学、個人育種家、目標達成のために力を惜しまず協力する自然愛好家よる新しくかつ独自のパートナーシップが形成されている。

保障コロニーの最大の目的は、保護繁殖・再導入という一連のプログラムを通し、現在野生環境下で存続が脅かされている種を保護すること、将来生息状況が回復する可能性を高めることである。これらの生息地を確保する事は、主にアジアでの食料、医薬品市場で税関が押収した違法取引された動物にとって重要な「安全な家」としても機能する。カメ類保存同盟は、カメ類保護において世界規模で活躍する団体として注目され、今ではカメ類についてトラブルが起こった時の連絡先として広く認知されている。

カメ類保存同盟は、初期の実績を基礎としながら、現在も広い展望を掲げている。それは、保護繁殖が保護政策に取り入れられている地域すべてに関与していくことである。対象国に保障コロニーの設備、救護センター、優先プログラムがあろうとなかろうと、カメ類保存同盟は膨大な技術的情報を提供していく考えがある。絶滅危惧種のカメ類の持続的な保護繁殖を進める必要性を推進力として、カメ類保存同盟は今や保護繁殖機関のみに留まらない存在となった。

アジアにおけるカメ類保護の人材を構築することが必須であり、それは将来の成功に導く鍵と言える。技術研修会、フィールド訪問、資料提供、技術支援、物資調達および財政面支援を通じ、カメ類保存同盟は対象国においてカメ類保護に尽力する人たちに対して確実に協力を行っている。研修は重要な要素であり、現在カメ類保存同盟は様々なスポンサーからの資金提供を得て、カメ類の飼育方法、獣医学的分野についてのワークショップを企画運営している。

]

(IUCN/本部)[2005/12/15]