2010年生物多様性目標、2010年までに生物多様性損失率の低下を目指す目標を達成させるまでにあと4年をきったが、生物多様性の動向を測る手法はまだ確立していない。そこでIUCNと種の保存委員会(SSC)では、生物多様性の動向を推し測るための指標を開発している。

絶滅のおそれのある種のリストであるIUCN レッドリストやSSCの専門家ネットワークから得られたデータによって、生物種の保全状況が明らかになりつつあり、種が絶滅に至る確率も分かりつつある。また、IUCNレッドデータを裏づけるデータは、生物多様性や持続的利用に対する脅威など、他の指標領域の開発を促すであろう

第8回生物多様性条約・締約国会議がブラジル・クリチバで開催された。そこでは、生物多様性条約(CBD)が、2010年目標に向けた活動を審査する一連の指標を採択した。IUCNは、採択された18指標のうち13において、重要な役割を有し、またIUCNデータが2010年目標の進捗を図る際に、有効であることを強調した。

2010年目標に向け、進捗状況を査定する特定のデータが果たす役割は、2006年3月27日のIUCNが主催したイベントでのテーマであった。IUCN種の保存委員会は、世界レベルの生物多様性指標の整備が必要となっている生物種データ群を提示し、SSCが注目している特定指標について強調した。これらには、絶滅危惧種や保護地区の動向、侵入外来種、食料・医薬用途の生物多様性と持続的利用における動向が含まれている。加えて、SSCが優先的に2010年以降採用を考えている指標、例えば、気候変動と病気を推定する指標について説明が行われた。

プレゼンテーションでは、生物多様性の動向を探るために必要な生物種データの重要性が強調された。データは細胞レベルから生物種、群落、環境システムまで、また地域レベルから地球規模に及ぶものである。IUCNレッドリストデータベースが、数多くのCBDの有望指標を裏付けていることが示された。それらの指標は、エネルギーの持続可能な利用から食料・医療用途の生物多様性の動向に至るものである。最終的には、地球レベルの生物多様性指標が2010年までに開発される予定である。一方、さらなる有効情報である、IUCNの指標開発・改善のための支援活動や締結国をモニタリング調査により支援する活動が必要不可欠であるとの結論となった。このように2010年までに完全に目標に到達するか否かは、締結国の価値判断と寄付協力国による支援活動にかかっている。

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(IUCN/本部)[2006/3/31]