前アメリカ合衆国大統領が未来のマングローブ林イニシアティブに賛同、協力者が1千万米ドルの寄付を誓約する。

国連津波復興特命大使である前アメリカ合衆国大統領ビル・クリントン氏は「未来のマングローブ林イニシアチブMangroves for the Future Initiative」を強く支持した。この計画では、2004年インド洋沖津波により被災したアジア地域沿岸のエコシステム保全を目指している。10月31日にニューヨークで行われた、寄付協力者と被災した6カ国政府代表(インド、インドネシア、モルディブ、セーシェル、スリランカ、タイ)との会合で、寄付協力者が同計画に1千万米ドルを追加して寄付することを誓約した。

未来のマングローブ林イニシアチブは、5ヵ年のプログラムで、その目的は南アジア津波被災諸国における、沿岸開発の環境の持続可能性を強化し、沿岸部エコシステム管理への投資を促進することである。このイニシャチブは、IUCNと国連開発計画(UNDP)の共同議長により運営される合同委員会により推進される。

前クリントン大統領は、次のとおり述べた。「この活動は、津波で被災した地域における沿岸開発の環境持続可能性を高めるために共同して取り組むことで、"より良き復興"を目指すよい例だ。」

健全に保たれた沿岸エコシステムよって、様々な産物、恵みがもたらされている。これらは特に、(災害に対して)脆弱な貧困社会に多くの恵みを提供している。この計画の焦点は環境保護であるが、一方、雇用や生計の向上を目指す手段としての環境管理に、加えて災害リスクの軽減に重点が置かれている。

また、前クリントン大統領は次のとおり述べた。「私もこのプロジェクトが災害対策のためだけでなく、生計や雇用を念頭においた沿岸エコシステムに重点を置いていることを評価している。環境を守ることで経済が盛んになり、将来への安心が生まれ、住民とその家族を守ることを可能にする、この概念はすばらしいものである。」

ノルウェー、スウェーデン、ドイツ、オーストリア、UNDP、国連環境プログラムが1千万米ドルの拠出を誓約した。その他の政府や国際機関もこのイニシアティブを支持し、資金の供出や彼らが既に支援しているプロジェクトとをMFFプログラムに組み入れることを示唆した

イニシアティブの支持表明の際に、ノルウェー政府エリック・ソルヘイム開発協力補佐官、グリイ・ラーセン氏は、「ノルウェーはイニシアティブにおける地域的取り組みに特に関心を持っている。」と強調した。

ラーセン氏は、次のとおり述べた。「このイニシアティブは、ノルウェーの環境開発協力事業の行動計画に適合している。また、地域住民の生計改善とともに自然災害に対する沿岸部住民の脆弱性を軽減するために役立つことだろう。」

IUCNは、200以上もの研究所、機関、政府代表との拡大協議のために昨年一年間を費やしてきた。イニシアティブはこの度、被災した6カ国、寄付協力国、主要国連機関、NGO団体、国際金融機関(IFIs:international financial institutions)に受け入れられた。

インド、インドネシア、モルディブ、スリランカ、タイからのすべての代表は、イニシアティブを支援することを確認し、IUCNと協力団体に対し、これまでの計画実施への準備作業に感謝の意を表した。各国は活動協力の必要性とその重複の回避を強調し、自然沿岸防災機能の再構築は地域における持続可能な開発において重要課題であると同意した。

タイ国大使、ラシアナチャントルム・ローハファン氏は、このように述べた。「我々は、IUCNと協力団体がこの問題に取り組み、人事育成や自然資源の復元と地域住民の生計改善を目的とした、5年間におよぶプロセスに取り組んでいることに感銘を受けている。この計画は、1回限りの短期的なものではなく、包括的かつ長期的な活動となるはずだ。タイ政府は全面的に未来のマングローブ林イニシアティブを支持している。」

クリントン前大統領は、次のように付け加えた。「沿岸部自然資源とマングローブ林の復元・保全は、地域経済に寄与するだけではなく、経済的な考えとして有効だ。根拠ある環境政策は、経済にとって好ましいのではなく、優れた経済政策なのである。」

(IUCN/本部)[2005/12/1]