少し投稿が空いてしまいましたが、COP16の動きです。閣僚級会合が29日・30日と開催され、警備も厳しくなり、人数も増え、お祭りのピークといえるような2日間が過ぎました(原稿は31日にまとめています)。

閣僚級会合では、コロンビア大統領、外務大臣、スサナ環境大臣(兼COP16議長)、アントニオグテレーレス国連事務総長、6名の首脳、100名近い環境大臣・副大臣が参加し、メッセージを発しました。コロンビアのルイズ外務大臣は「自然と共に平和を連合(Peace with Nature Alliance)の発足を宣言し、参加の呼びかけ、Peace with Nature親善大使がメッセージを述べるなどのシーンがありました

交渉の方は、ここに来て(あるいはここまで来るほど揉めているから?)決定案の文書作成のスピードが下がり、扱わなければならない議題はあるのに、なかなか前に進まないやきもきする状態を続けています。

DSIや資源動員などは、交渉文書作成ではなく、文書化のための要素・主要論点とのそれに対する意見をまとめる論点整理を行い、ハイレベル交渉での政治決着を目指す方向で動いているように思います。例えば、資源動員では、新基金の設立の是非が課題で、3つの選択肢が絞りこまれているのですが、各選択肢毎にCOP16からCOP17までの間にどんな会合をして、どんな作業が必要か、という点について各国の主張を出し合いました。

29-30日の締めとして、30日の夜8時からの(といわれて9時に始まった)本会議が開かれ、次回ホスト国の決定に向けて、立候補国のアルメニアとアゼルバイジャン両国のプレゼンの後投票による決定を31日の本会議で行うことが紹介されました。

その後3つのカルタヘナ議定書関係文書、名古屋議定書関係1文書、COP16関係で、重要海域EBSAの今後の特定や改定のためのルールを採択しました。EBSAのルールは8年間の交渉の末にまとめられた文書であったため、交渉がまとまったことが報告され会場が非常に大きな拍手に包まれたのが印象的でした。

重要議題の一つ、8(J)関係の作業計画(Programme of Work)も採択に至りましたが、常設機関化、アフリカ系住民については、残り二日の間に、政治決着が必要そうです。

本会議は、深夜1時半過ぎまで開かれました。

国際自然保護連合日本委員会 事務局長 道家哲平