10月11日~13日、IUCNリーダーズフォーラムにIUCN-Jのメンバーとして参加してきました。まずは会議を終えて、全体的な感想を報告させていただきます。
リーダーズフォーラムでの収穫
このような国際会議への参加は初めてでしたが、特に今回のリーダーズフォーラムの特徴として、それぞれのセッションの合間に長めのコーヒーブレイクが挟まれ、世界中からの多様な参加者と話を出来る機会がありました。
私はフォーラム参加にあたり、途上国リーダーや少数民族の声に関心があったため、コーヒーブレイクの時間にはなるべく多くこうした参加者に声をかけてみました。詳細は別の報告にまとめたいと考えていますが、個人的にはこの時間が一番貴重な経験となりました。
また、会場の空間も参加者間の交流が促進されるよう、スペースの作り方や椅子やテーブルの配置に配慮されており、そうした演出も勉強になりました。
チェンジメーカーピッチ
今回のフォーラムで、特に大きなインパクトを与えていたのが、チェンジメーカーのピッチでした。これは事前に3,500人の応募者から選び抜かれた9名のユース世代が自分の取り組みをピッチするもので(実際は12名選出されていたものの、ビザの都合で9名になったという話でした)、実施している内容に加えて、堂々としたプレゼンに会場が沸いていました。
フォーラムのセッションでは全体的に抽象的な話になりがちなのに対し、チェンジメーカー達の話は実際に彼らが主導する革新的な取り組みだったので、聞いている側として圧倒的な力がこもっているように感じました。そして何より、彼らの多くが20代前半で、その世代が自分達で世界を変える大きな挑戦をすでに行っていることは、会場にいる大人全員に大きな刺激を与えていたように思います。
(写真)どのチェンジメーカーも、ピッチのクオリティが非常に高かったです
客観的に自分たちの取り組みを知る
もう1つ、今回のフォーラムでの大きな収穫は、自分達の活動について客観的に知ることができたことです。今回、パナマからのリーダーの1人が、国際的な資金の枠組みと先住民族の保全プログラムを繋ぐ際に、NGOが大きな役割を果たしていると話しており、私の所属団体が紹介されていました。これまで、所属NGOでは先住民族との協働を常に優先事項として掲げてきましたが、このように評価されていることを知り、とても励みになりました。
また、ドミニカ共和国からの参加者は、少数民族やローカルコミュニティにとって、まずは彼らの組織強化やキャパシティビルディングが必要であり、その際JICA(国際協力機構)の人材育成支援に大きな恩恵を受けていると話していました。日本の国際協力がこうして遠い国で芽を出していることも、海外支援の在り方について見つめ直す貴重な機会になりました。
リーダーズフォーラムはセッションそのものに加えて、こうした交流やネットワーキングが非常に大きな意義を持つ場だと感じました。
3日間が盛りだくさんで充実しており、まだ内容を十分消化しきれていませんが、追って特定のテーマについても深堀して報告出来ればと思います。
コンサベーション・インターナショナル・ジャパン
松本 由利子