IUCN-Jは、生物多様性プラン行動目標5の達成に向けて、野生生物がメディアで適切に取り上げられるようにすることを目的とした活動を開始しました。この取り組みは、Rooting Our Own Tomorrows (ROOTs)との連携により進められており、特にメディアやクリエイターが野生生物取引に関するリスクを正しく理解し、その情報発信が無意識のうちに需要を煽ることがないようにすることを目指しています。

本プロジェクトでは、「リスクのある作品をゼロに」を目指し、リスクチェックやガイドラインの提供を通じてメディアとの連携を強化します。同時に、「野生生物の魅力を最大限に」を目指して、クリエイターとの協力を進め、彼らが野生生物を適切かつ魅力的に描くことができるよう支援します。

IUCN-Jは、ROOTsの革新的なツールを活用し、これを広く社会に提供することで、持続不可能で違法かつ安全性に欠ける野生生物取引を根絶することを目指します。

「ネイチャーポジティブとグリーンウォッシュ」に関するパイロットプロジェクト開始

自然や野生動物を扱うクリエイティブ作品には、生態系や種を脅かし、持続不可能な需要を喚起するリスクを持つ表現や設定が含まれることがあります。また、「ネイチャーポジティブ」や「自然に優しい」といった表現には、過度なアピールや実現不可能な取り組みを通じて、グリーンウォッシュのリスクが潜んでいる場合も少なくありません。

IUCN日本委員会は、この「ネイチャーポジティブ」に関する問題のあるグリーンコミュニケーションを防ぐため、クリエイティブ作品における炎上リスクの低減をサポートする取り組みを開始しました。

第1弾として、国際目標5「持続可能な野生生物の利用」にフォーカスし、「野生生物」を扱うコンテンツにおける炎上やクレームを抑止するためのリスク低減をサポートします。具体的には、メディアやクリエイター向けにROOTsが開発したガイドラインやリスクチェックツールを提供し、広告やクリエイティブが持続不可能な需要を煽ったり、不適切な表現を用いたりするリスクを抑えることを目指します。また、「野生生物の魅力を最大限に」伝える「ネイチャーポジティブ」なクリエイティブの実現に向けて、クリエイターとの協力を進めていきます。