COP16二日目に入りました。日々参加者は増えている印象です。IUCNは朝8時からチーム会合を開催し、情報共有を行っています。

午前は、第1作業部会では、地球環境ファシリティ―の支援に関する協議、国際条約や機関間の協力、第2作業部会は開かれず、海洋沿岸のコンタクトグループ、合成生物学のコンタクトグループが開催され、午後は、8(J)のコンタクトグループ、資源動員のコンタクトグループ、第2作業部会で名古屋議定書やカルタヘナ議定書関係の検討が行われました。

夜(午後7時半から10時半)には、生物多様性と健康、気候変動、DSI、能力開発に関するコンタクトグループが開かれるなど、多岐に渡る会合が開かれています。

サイドイベントやパビリオンイベント、プレスカンファレンスも行われ、国際会議場内各地で様々な動きが生まれています。プレスカンファレンスでは、TNFDが、トランジションプランやそのガイダンスを作成するプランを発表しました。要は、開示だけでなく、具体的な行動をもって、会社の在り方がネイチャーポジティブに移行していくことをTNFDとして推し進める状況であると言えます。

他にも、今年8月に横浜で開催された「生物多様性国際ユース会議(International Youth Conference on Biodiversity」」の報告が行われました。あまり日本のメディアで報道されてないかもしれませんが、世界各地から100名を超えるユースが日本にきて、ユースとしてGBF達成のためにどのように社会を変革するかということが話し合われましたそうです。

この会議の特徴は、ユース(GYBN)中心に組織され、プログラムもユースが構想する形で行われました。ユースが企画に参加出来ないユースイベントも良く開かれますが、そのようなイベントとは一線を画する運営でした。

ユースによる運営は、協力や創発を生み出すコミュニケーションを行うために参加者が安心して関われる「場づくり・空間づくり」の工夫がありました。また、先住民地域共同体のユースの方も参加していたのですが、このCOP16にも参加されていて、先住民地域共同体かつユースという立場のかたが国際会議に呼ばれることはめったにない中で参加の機会を得られたことや、日本滞在中の日本人の自然のかかわりや、参加者同士で心を寄せ合えた瞬間などかけがえのない時間を過ごせたと話を実体験を話されていた姿も印象的でした。

ホスト・横浜市。ユースの支援や、グリーンエキスポ2027への思いを紹介

パネルディスカッションでは、環境省・横浜市・生物多様性条約事務局(生物多様性日本基金)・GYBNがそれぞれが開催して得たことや、次のアクションについてを話すパネルディスカッションも行われました。4つの機関による運営は、資金の多様化につながるものの、各組織の合意形成や役割分担、運営に対する厳格さ等のレベルが異なることから2年以上にわたる長いコミュニケーションの苦労が端々に見られましたが、一方で、開催したことの成果は異口同音に強調されていてました。

IUCN-Jもボランティアスタッフの確保、IYCB直前の準備会合の開催、日本側参加者の支援、IYCB開催後のフォローアップの国内イベントの開催などを行いましたので、COP16で報告されているのをみて、貢献できたことを嬉しく思っています。

国際自然保護連合日本委員会事務局長 道家哲平