COP16の2週目に入りました。2週目初日の28日(月)の交渉では、第2作業部会が午前と午後に開かれ、ルタヘナ議定書関係の文書を取りまとめる他、外来種、主流化、健康の文書のとりまとめを進めました。
第1作業部会は開かれず、能力養成とファイナンシャルメカニズム、DSI、計画・モニタリング・報告・レビュー、夜には、資源動員、気候変動、8(J) 、合成生物学のコンタクトグループが行われるなど、交渉が佳境を迎えています。
COP16は休日から、盛り上がりを見せています。土日には、サイエンスフォーラム、自治体サミット、自然と文化サミット、ビジネスフォーラムや、各パビリオンでのイベントがいくつも開かれていました(交渉の方も、DSIと資源動員のコンタクトグループも日曜日に開かれていました)。
日曜日のビジネスフォーラムや、月曜日のファイナンスデーに向けて、日本も含め企業関係者も続々とCOP16会場(ブルーゾーン)や、市民公開の会場(グリーンゾーン)あるいは独自にホテルの会議室でイベントを開催していました。国際自然保護連合日本委員会では、会員団体の一つ、経団連自然保護協議会の呼びかけでCOP16に参加している30社近い企業に、26日から朝レクを実施し、企業によるCOP16への参加が意義あるものになるよう支援をしています。
各国の環境大臣等の閣僚級参加者も続々とカリ入りをしており、ここから始まる一週間は様々なリリースも企画されているようです。
手始めに(?)28日には、生物種の現状を教えてくれるIUCNレッドリストの更新の発表、30by30などのキーワードで表現される保護地域関連目標の実施状況をまとめるProtected Planet Report2024が発表されました。IUCNレッドリストは、樹木種の3分の1が絶滅危惧種であることが判明、PPRでは、陸上の陸域・淡水域の17.6%、海洋の8.4%が保護地域であることを明らかにしました。つまり、合意された世界目標達成には、残り6年間の間に、陸域でも2倍の努力が、海洋に至っては3倍以上の努力が必要です。
29日から閣僚級会合が始まりますが、このような現状にあって、政治的なリーダーシップの必要性を感じる交渉の様子となってきました。
国際自然保護連合日本委員会 事務局長 道家哲平