IUCNの組織紹介

(IUCN-Jとの関係)

IUCN-Jは、IUCNに加盟する日本の会員が作る国内委員会です。

IUCNが設立された1948年はUNESCOやFAOといった国連組織が立ち上がるなか、自然保護を目的に掲げた機関が、国連内に設置されないということへの危機感が募った時代でした。そのため、IUCNは「民主主義」を強く掲げた国連に代わる自然保護の国際組織を目指すとの気概で作られた組織です。IUCN-Jは、日本の会員連携のために1980年に設立されました。

IUCNの組織

組織関係図

地域委員会

東部・南部アフリカ地域委員会

  • ボツワナ
  • ブルンジ
  • ケニア
  • マラウイ
  • モザンビーク
  • 南アフリカ共和国
  • ウガンダ
  • ジンバブエ

西・中央アフリカ地域委員会

  • ベナン
  • ブルキナファソ
  • カメルーン
  • コンゴ(ROC)
  • ギニアビサウ
  • マリ
  • セネガル

北アフリカ地域委員会

  • モロッコ
  • チュニジア

中米地域委員会

  • コスタリカ
  • エルサルバドル
  • グアテマラ
  • ホンジュラス
  • メキシコ
  • ニカラグア
  • パナマ

南アメリカ地域委員会

  • アルゼンチン
  • ボリビア
  • ブラジル
  • チリ
  • コロンビア
  • エクアドル
  • パラグアイ
  • ペルー

カリブ海地域委員会

  • ドミニカ共和国

東南アジア地域委員会

  • 日本(IUCN-J)
  • 韓国
  • バングラデシュ
  • カンボジア
  • インド
  • ネパール
  • パキスタン
  • スリランカ
  • タイ
  • ベトナム

西アジア地域委員会

  • イスラエル
  • ヨルダン
  • クウェート
  • レバノン
  • パレスチナ
  • トルコ
  • アラブ首長国連邦
  • アメリカ
  • カナダ
  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • デンマーク
  • フィンランド
  • フランス
  • ハンガリー
  • イタリア
  • ポーランド
  • ロシア
  • スペイン
  • スウェーデン
  • スイス
  • オランダ
  • イギリス

会員

(Member)

IUCNは、団体からなる会員制度を基本としています。会員は、国家会員(日本等、窓口としては外務省が担当)、政府会員(環境省)、NGO:国際NGO(WWF等)と国内NGO(日本自然保護協会等)、先住民地域共同体と、会員は4つに区分されます。会員は、自然保護の現場で活躍しながら、IUCNのビジョンやミッションに共鳴した活動を実施します。

また、会員は、年会費を支払い、IUCN全体の運営を資金面で支えるとともに、4年に1度の頻度で開かれる「世界自然保護会議」(World Conservation Congress)で、IUCNの事業計画や予算の承認、専門委員会の委員長や理事を選挙で選出します。

同国に所属する会員同士の連携のために1か国1つだけ組織することができるのが「国内委員会(National Committee)」です。IUCN-Jも、日本の会員連携のために、1980年に設立され、最も古い会員である(公財)日本自然保護協会が事務局を担っています。

専門委員会

(Commission)

IUCNが大事にする科学性を担保するため、研究者・NGO専門職員・パークレンジャーなど、専門的知見をもった世界16,000人近い専門家が、6つの委員会(現在、気候危機委員会という7つ目の立ち上げ中)を組織しています。会員が選出した委員長をリーダーに、会員団体や事務局と共同しながら、科学的成果物(指針やガイドライン、評価レポート)を生み出します。絶滅の恐れのある種のリスト(IUCNレッドリスト)も専門委員会の活動成果の一つです。

理事

(Councilor)

会長(President)、専門委員会委員長、地域代表からなる理事が、世界自然保護会議と会議の間のIUCNの方針を統括する組織です。すべて、世界自然保護会議中に、会員による選挙で選出されます。

事務局

(Secretariat)

会費等を原資に全世界60か国に配置されているのが、事務局になります。本部事務局はスイスのグランにあり、国内事務所(Country Office)やプログラムオフィス、地域事務所(国内事務所を統括する事務所)など、途上国を中心に設置され、全世界で1000人近いスタッフが、理事・会員・専門委員会委員の間の連携を図る事業を展開しています。日本には、IUCN日本リエゾンオフィスという連絡連携窓口が、大正大学内に設置されています。