Action
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生物多様性の保全を当たり前にするために。

みんなで考え、みんなで決めよう。

生物多様性に関する意思決定および司法や情報へのアクセスを、女性、子ども、障がい者、先住民などを含むすべての人にひらく。
完全性/公平性/包摂性/ジェンダーに配慮した状態で、すべての人が意思決定に効果的に参加できるようにする。
また、先住民族と地域コミュニティが生物多様性に関する司法や情報にアクセスできるようにする。
女性、女児、子ども、青少年、障がい者だけでなく、彼らの文化、土地、領土、資源、伝統的知識に対する権利を尊重する。
また、環境人権擁護者には、十分な保護を確保する。
<言葉の注釈>効果的参加、環境人権擁護者の保護
原文

女性及び女児、こども及び若者、並びに障害者と同様に、先住民及び地域社会の文化並びに土地、領域、資源及び伝統的知識に対する権利を尊重した上で先住民及び地域社会による、 生物多様性に関連する意思決定への完全で、衡平で、包摂的で、効果的かつジェンダーに対応した代表性及び参画、並びに司法及び生物関連情報へのアクセスを確保するとともに、環境人権擁護者の十分な保護を確保する。

本文(英語)はこちら

解説
環境人権擁護者とは、環境保護、環境正義の擁護、先住民及び地域社会の権利の擁護に取り組む個人やグループなどを指します。

目標のポイント

POINT 1

先住民及び地域社会は、伝統的な知識や慣習などに基づき、地域の自然を文化的かつ総合的に理解しています。また、その土地は、沿岸から山岳地帯まで多様な生態系を含んでおり、そこでアグロフォレストリーや輪作などの持続可能な土地利用を推進しています。

先住民及び地域社会は、利用と保全のバランスが取れた資源管理などを検討・実施したり、生物多様性保全を進めていく際に欠かせない存在です。

POINT 2

このターゲットには、先住民及び地域社会だけでなく、女性及び女児・こども及び若者・障害者の有意義な参加の重要性についても明記されています。
また、生物多様性保全の最前線にいる環境人権擁護者の保護の必要性についても強調しています。具体的には、法的保護による暴力や脅迫の防止や、報復を受けることなく権利を行使できるようにすることなどが挙げられます。

目標達成に向けた活動の考え方

このターゲットの達成に向けた活動の例としては、

  • 多様な主体の、意思決定の場への代表性と参画を確保する
  • 多様な主体の、司法や生物関連情報へのアクセスを確保する
  • 当ターゲットに関する状況の、日本における現状を明らかにする

といったことが考えられます。

活躍が期待される人たち

この目標の達成には、意思決定の場づくりを行う国や自治体、事業者などが特に活躍することが期待されています。また、当ターゲットに関する国内での状況を明らかにするという点においては、教育研究機関による研究の推進も期待されます。

  • 自治体
  • 事業者
  • 教育研究機関
  • 非営利団体
  • 市民
  • 農林漁業団体

国内での参考事例

日本には、2030生物多様性枠組実現日本会議(J-GBF: Japan Conference for 2030 Global Biodiversity Framework)という組織があり、国内の様々なセクターの参画と連携を促進するプラットフォームの役割を果たしています。官民を繋ぐだけではなく、NGOやユースも関係団体に含まれていることが特徴です。
詳細はこちら

目標や解説などは生物多様性条約事務局資料をもとに、IUCN-Jと国立環境研究所生物多様性領域がまとめました。また、記載内容は、特別な記載がない限り2023年度に参照した情報をもとにしています。

生物多様性条約事務局資料の原文はこちら

IUCN-Jと国立環境研究所は、連携基本協定を結んでいます。