Action
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生物多様性への脅威を削減するために。

外来種の定着を減らそう。

外来種の侵入と定着を50%削減し、その影響を最小限に抑える。
①外来種の侵入経路を特定、管理する。
②対策優先度の高い外来種の定着を防止する。
③その他の外来種/潜在的外来種の導入率や定着率を、50%以上削減する。
④離島など優先的地域での外来種を根絶もしくは管理する。
<言葉の注釈>対策優先度の高い外来種
原文
外来種の導入経路を特定及び管理し、対策優先度の高い侵略的外来種の導入及び定着を防止し、他の既知又は潜在的な侵略的外来種の導入率及び定着率を 2030年までに50%以上削減するとともに、特に島嶼などの重要度の高い場所における侵略的外来種の根絶又は管理によって、侵略的外来種による生物多様性と生態系サービスへの影響を除去、最小化、低減及び、又は緩和する。

本文(英語)はこちら

解説
侵略的外来種とは、生物多様性と生態学的完全性を脅かす外来種(自然分布域の外から導入された種)のことです。全ての分類群・全ての生態系タイプからの種が侵略的になる可能性があります。

目標のポイント

POINT 1

侵略的外来種は、生物多様性損失の主要な要因の一つです。在来種を捕食したり、餌や生息地をめぐって在来種との競争を引き起こしたり、病原菌を持ち込むことなどによって生物多様性に影響を与えます。特に、島の生態系などに与える影響は深刻です。

POINT 2

グローバリゼーションにより、国際的なモノやヒトの動きが増えています。それにより外来種の新しい導入経路が作り出され、それぞれの生物が本来いるべき場所を超えた移動が素早く簡単に起こる状況が増えました。

解説
経路とは、外来種が新しい環境に導入される手段です。経路は、意図的なもの(人間活動を通じたもの)と、非意図的なもの(逃げ出す・混入する・荷物や乗り物などに紛れ込む(ヒッチハイカー))があります。主な経路は国によって異なり、効果的な管理のためには経路の特定が必要です。

POINT 3

このターゲットでは、以下、3つの順に侵略的外来種による生物多様性と生態系サービスへの影響をなくしたり減らしたりすることを目指しています。

  • 導入と定着を防ぐための経路を特定し管理する
  • 侵入の早期に発見し、侵入経路や防除の対策をする
  • 既に導入もしくは定着した侵略的外来種を根絶もしくは管理する

これにより、

  • 侵略的外来種の導入率及び定着率を2030年までに50%以上削減する

ことを目標としています。

目標達成に向けた活動の考え方

このターゲットの達成に向けた活動の例としては、

  • 外来種導入前のリスク分析・国境管理や検疫の強化などの侵入防止活動を行う
    (定着してしまったものを根絶するよりは、導入を防止する方が費用対効果が高いと言われています)
  • 対応すべき経路・侵略的外来種・場所などで、対応の優先順位付けを行う
  • 既に侵入・定着した侵略的外来種の管理・根絶を計画し実施する
  • 監視や管理、根絶を効果的にする技術開発

といったことが考えられます。

活躍が期待される人たち

この目標の達成には、現在の侵略的外来種の根絶・制御や、貿易や観光等による移入の防止に国が積極的に取り組むことが特に期待されています。

  • 自治体
  • 事業者
  • 非営利団体
  • 教育研究機関
  • 市民

国内での参考事例

外来種の防除対策については、カナダガンという外来種の定着を防ぐため、日本雁を保護する会や野鳥の会による取組みがありました。

https://nh.kanagawa-museum.jp/www/contents/1600327927504/index.html

奄美大島における環境省のマングース対策
https://kyushu.env.go.jp/okinawa/awcc/mongoose.html

侵入生物データベース
https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/

目標や解説などは生物多様性条約事務局資料をもとに、IUCN-Jと国立環境研究所生物多様性領域がまとめました。また、記載内容は、特別な記載がない限り2023年度に参照した情報をもとにしています。

生物多様性条約事務局資料の原文はこちら

IUCN-Jと国立環境研究所は、連携基本協定を結んでいます。